[書評]【キャパの十字架:沢木耕太郎 著】世界一有名な戦場写真「崩れ落ちる兵士」はヤラセ写真?!人間 ロバートキャパに迫る!

戦場カメラマンって本当にスゴイなって思う「みかん(@tangerine)」です。
先日、録画したNHKスペシャルでロバートキャパ特集を観たのです。
もとは、小説「深夜特急」で有名な沢木耕太郎氏の著書です。
さっそく読んでみました。ロバートキャパを知る良い本でした!

とても有名な「崩れ落ちる兵士」の写真の真相に迫る推理ドキュメンタリー。
もちろん、ロバートキャパってどんな人物か知るこのが出来ますよ。

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「崩れ落ちる兵士」の真相は!?に迫るっ!

ロバートキャパ、写真が好きな人なら知っている人も多いのではないでしょうか。
世界一有名な戦場カメラマンと言っても過言ではない写真家です。

彼を一躍有名にして、そして今での戦場写真の最高傑作と言われる、
「崩れ落ちる兵士」とい写真をご存知でしょうか?

Google先生やYahoo!!の画像検索で「崩れ落ちる兵士」と検索すれば、
すぐに大量に出てくるので、ここでは、わざわざ載せません。
たぶん、「あ、見たことある!この奇跡的な写真!」って思い出す人も多いはず。

小説「深夜特急」の著者:沢木耕太郎が、この写真の真相に迫った
ドキュメンタリー推理小説が、この「キャパの十字架」です。

ロバートキャパの青年期、そして恋人

写真はよく知っていても、どんな生き方をしてきたか知らない写真家っていますよね。
写真は、撮ったその人の思考や生き方、つまり生い立ちに大きく左右されると思います。
普通、ボクたちは写真だけで判断しがちで、これは写真というメディアの運命ですが、
どんな人がこの写真を撮ったのだろう!?という興味を持つのも面白いものです。

・ロバートキャパは本名ではなく、いわゆるペンネームみたいなもの
・ロバートキャパには青年期に、戦場カメラマンの恋人がいた
・その二人が撮った写真をロバート・キャパの名で世に出そうとした
・その恋人は年上のフランス人女性だった
・どちらもユダヤ系で当時のファシズムに対抗していた

現在と違い、雑誌やラジオの影響が多大だった時代。
雑誌の表紙や特集で1面に踊る写真の影響はとても大きかったはずです。

無名のキャパは、どうにかして有名になりたかった、
そして、写真でファシズムに対抗したかった、こう思っていたに違いません。

スペイン戦線で撮影した「崩れ落ちる兵士」と恋人の死

キャパは、恋人と一緒にスペイン内戦に赴きます。
スペイン内戦は、ファシズム陣営と反ファシズム陣営(民兵多数)という構図です。
もちろん、ファシズム陣営にはドイツ・イタリアが加勢します。
その後の、第二次世界大戦の前哨戦のような内戦。

そこで撮影されたのが「崩れ落ちる兵士」です。

反ファシズム側の民兵が、まさに敵の、ファシズムの銃弾に撃たれた瞬間。

この小説では、この写真の真贋・経緯・誰が撮ったのか、を追及していきます。
本当に、撃たれた瞬間なのか?本当にキャパが撮ったのか?

この写真が撮影された後、別々行動になった二人。
キャパの恋人は戦車に轢かれ死亡します。30歳に満たない若さでした。

その数日後、「崩れ落ちる兵士」は米国TIME誌に掲載され大絶賛されます。
当時100万部も売れていたTIME誌の影響力は絶大でした。

プロパガンダとしての写真、本当の戦場写真

「崩れ落ちる写真」は、反ファシズムのプロパガンダに最大限に利用されます。
ここでキャパの目的は結果的に果たしたといってもいいでしょう。

それでもキャパは、ノルマンディー作戦の激戦地の
それも戦死率が一番高かった最前線の突撃部隊に従軍します。

斉射するドイツ軍に背を向けて、突撃する怯えた友軍を撮ります。
これは、プロパガンダを目的とした写真でなく、事実を撮影する執念です。

彼の、この行動は、何から来ているのか?

この行動は「崩れ落ちる兵士」という写真が、何かの要因ではないのか?

やっぱり、このネガの無い写真には、何かあるのではないか?

彼は、十字架のようなものを背負っているのではないか?

この写真については、欧米では何十年も前から真贋論争があります。
民兵に頼んで撮影した「ヤラセ」ではないのか?という主張が大勢を占めているようです。
綿密な取材で、この写真の真相を沢木耕太郎が解き明かしてくれます。

ただ、この写真がどうであれ、ボクにとってはあまり関係ありません。
キャパの撮ったノルマンディー作戦やベトナム戦争の写真は紛れもなく事実を写してます。
そのような写真を撮った、そのような激戦地に身を投じたキャパを尊敬せざるえません。

沢木耕太郎氏も、写真の真相を解き明かしつつも、
キャパの人間に魅かれ、彼に親愛の情を持っているのがよく分かります。

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