書評『旅の窓』沢木耕太郎の写真とエッセイで地球を一周した気分にしてくれる良書

旅のエッセイが大好きな みかん(@tangerine_buddy)です。子どもが小さいと日本から出て海外へ旅に行く機会もグッと減ってきます。そんなフラストレーションをゆっくりと鎮めてくれるのが、沢木耕太郎氏の写真と短文エッセイです。

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フィルム写真が秀逸!

沢木耕太郎氏が旅先で切り取った何気ない光景はフィルム写真で撮ったもの。静かで優しいタッチの写真はフィルムの粒状感の優しさでしょうか。奇をてらうことのない、見たままの光景を切り取っています。旅先で、ふと感じた感情の出所を切り取った写真は、沢木耕太郎氏の旅へのまなざしそのものです。

短文エッセイが秀逸!

沢木耕太郎氏は、さすが物書きですね。写真に切り取った光景を優しく語ってくれます。

家の前でじゃがいもの皮をゆっくりゆっくり剥く老婆をフレームにおさめてゆったりとした人生を切り取ります。

家の前で、ゆっくりじゃがいもの皮をむくこののできる人生。なぜか、それが素晴らしい人生のように思えてならなかったのだ。

沢木耕太郎氏は、旅はなぞって(再び行程を同じにしては)はいけない、という。様々な旅を経験して得た教訓のようだ。ボクも旅をなぞるのはいつも我慢している。しかし、人にはわかっていながらにしてしまうことがある。沢木耕太郎氏は20年前と同じバーに入った。

二十年も経っているのだ。当たり前のことだ。そう思いながら、私は失望しないわけにはいかなかった。ただ、酔っぱらいのバーテンが呑ませてくれるワインの味だけは、20年前の記憶とまったく変わらなかったのだが。

沢木耕太郎氏の親としての一面も垣間見ることができる。美しい海岸を眺める男の子。そして、それを後ろから見守る父親。

その父親は、何年か、何十年か経ったとき、小さな痛みとともに思い出すだろう。かつて、幼い息子と、あの美しい海岸を一緒に歩いたことがあったということを。

写真と短文エッセイ。ボクがブログで表現したい形だ。うん、沢木耕太郎氏はブログ運営のヒントを教えてくれた。

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